パブリックスピーカーの告白を読んだ。
昨日、「パブリックスピーカーの告白」を読み終えたので、要約と感想を書いてみたいと思います。
パブリックスピーカーの告白 ―効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方
- 作者: Scott Berkun,酒匂寛
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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訴えてること
この本の中で著者が一貫して訴えていると思ったのが「事前準備が大事だよ」ということではないかということです。
本の中では様々な事例やプラクティスを挙げているのですが、どれもが事前準備の大切さを訴えているように思えました。
プラクティス
練習大事
メモを使って講演をしようとした人の話が出ているのですが、メモを片手に話し始めて数分後、沈黙したりどこを話しているのかがわからなくなって、ついには白旗をあげてしまったという事例が出ています。
こういったものはあらかじめ練習をしていれば防げただろうとおっしゃっています。
講演のアウトラインやスライドを作ったら、最後まで話し終えられるようになるまで実際に素振りをしてみて(一人でOK)ブラッシュアップしていくとよいそうです。
また、その中で話を内容を覚えて、スライドがなくてもそれなりに話せるようになるという効果もあるそうです。
また、他人のスライドでもいいので、数分話してみたものをビデオに記録して見てみると、聴衆はどういう風に見ているかがわかるので、やってみましょうということも書いていました。
長々と話さない
人の集中力には限界があって、同じ話をずっと聞いているといつの間にか集中力が途切れてしまうそうです。そうならないようにするためにも、一つのトピックを話すのは10分までにしましょうと書いています。
アジェンダの提示
講演の最初に要点とどれくらいの時間をかけるかを伝えることで、講演のペースを作ることが出来て、聴衆も途中で集中力が切れて話を聞けてないときがあったとしても、また戻ってくることができると書いています。
聴衆を巻き込む
聴衆に質問をしたり、手をあげてもらったりするのもよいそうです。
確認モニター
次に何が起きるかを知ることが大事。聴衆には見えない形で次のスライドや残り時間が見える仕組みを作っておくとよいそうです。
(これはKeynoteで次のスライドや残り時間、発表者ノートを自分のモニタに表示する機能があるのでmac持ちならやってみるといいと思います。PowerPointも最近のなら出来るのかな?)
いきなりスライドを作らない
先にスライドを作ると、話がスライドに引っ張られてしまいます。なので、始めにアウトラインを作って話の骨格を整えたうえで、スライドをつくるとよいそうです。
(僕の場合、アウトラインの代わりにマインドマップを使ってます。トピックの量が一目で見て分かるので結構重宝します。)
聴衆を知る
例えば、
早く会場に来て他のスピーカーの講演を聞いて会場の雰囲気を知る。
聴衆と話をしてみる。
といったことです。実際にこういったことをしてみて、用意したスライドと話が合わない場合は、話を変えてしまうこともいいよと書いていました。
(IT勉強会の場合、こくちーずなどに申込者リストが表示される場合があります。そこでどういった人が来るかをあらかじめ知っておくことは大事だと思います。それだけで、自分が話そうと思っている内容が参加者に合うかはある程度検討がつくものだと思います。)
感想
僕はDevLOVE HangerFlight Ruby編で話をさせてもらう前々日くらいから読み始めました。前書きに「時間のない人は5章だけでも読むといいよ」って書いてあったので、その通り5章から読み始めたのですが、そこに書いてあった「練習大事」ってことを知ることができただけでも、価値はありました。
一冊一通り読んで思ったのは、「当たり前のことをやっていくのが大事」ということなのかなということです。
上に挙げたプラクティスは、よりよい講演をしたいのならばやるべきだし、うまくやってる人は当たり前のようにやっていることなのかなと思いました。
その当たり前のことをやるのが一番難しいことなのかもしれないけど。(どんな業界でも)
そして、人前で話すことがあった人、これから話す予定のある人、そのうち話す機会があるかもしれない人、そんな人なら必ず読んで欲しい本だなとも思いました。この本に書いてあることをちょっとでも実践するだけで、講演力が上がる本だと思いますので。